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冬の特集

おせち料理

今月の特集は「おせち料理」。やや敷居が高く感じられるかもしれませんが、実は一品一品は思うほど難しいものではありません。市販のものと上手に組み合わせながら、今年は手作りのおせち料理にトライしてみませんか。

レシピ提供
  • フードスタイリスト 川崎万里
  • フードコーディネーター 森巳希子

キリンレシピノートオリジナル「おせち料理」

キリンレシピノートオリジナル「おせち料理」

祝い肴三種、口取り、酢のもの、焼きもの、煮ものと、“おせち”に欠かせない料理をすべて網羅した、キリンレシピノートオリジナルの「おせち料理」です。

簡単おつまみおせち

簡単おつまみおせち

おせち料理初挑戦の人にもおすすめの”簡単おつまみおせち”です。

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ワンポイント・コラム

おせち料理の基本的な構成

おせち料理の基本的な構成は以下の通りです。

祝い肴三種
「田作り」「かずのこ」「黒豆」の3品。
この3品はお正月のお祝いに欠かせない料理で、この祝い肴とお餅があれば最低限のお正月のお祝いはできるといわれています。
口取り
口取りとは「口取り肴」の略で、饗膳(きょうぜん)でお吸いものとともに最初に出される皿盛りもののこと。
「伊達巻き」や「栗きんとん」、「昆布巻き」「紅白かまぼこ」などがこれにあたります。
酢のもの
「紅白なます」や「たたきごぼう」、「酢だこ」、「〆さば」、「小魚の南蛮漬け」など。
焼きもの
「ぶりの焼きもの」や「鯛の焼きもの」、「えびの焼きもの」、「のし鶏」「松風焼き」など。
煮もの
いわゆる「煮しめ」。昆布、里芋、れんこん、にんじん、こんにゃく、ごぼう、しいたけ、たけのこ、大根、がんもどきなどを含め煮にします。

お重詰めの基本

おせち料理は、本来は五段重に詰めるのが正式なのだとか。詰める料理の順序は以下の通りです。

一の重 祝い肴
二の重 酢のもの、口取り
三の重 焼きもの
与の重 煮もの(忌み数字の四をきらってこう書きます)
五の重 控えの重

五の重を控えの重として空にしておくのは将来さらに繁栄し富が増えることを願ってのことだそうです。

しかし、近年では省略された三段重がもっとも一般的といえるでしょう。その場合、詰める料理の順序は以下のようになります。

一の重 祝い肴、口取り
二の重 酢のもの、焼きもの
三の重 煮もの

また、気軽な二段重の場合は、一の重に祝い肴と口取りと酢のもの、二の重に焼きものと煮ものを詰めればよいでしょう。

ちなみに料理を重箱に詰めるのには、めでたさを「重ねる」という意味があるそうです。

重箱の詰め方バリエーション

せっかくおせち料理はしっかりつくれたのに、うまく重箱に詰められなかったらもったいないですね。詰め方のバリエーションをいくつかご紹介するので覚えておきましょう。

各お重に詰める料理の数は3、5、7の奇数にします。偶数になってしまった場合は、あしらい(料理に取り合わせて色や香りを添えるもの)を添えてひとつに数えます。

田の字
お重を田の字に四分割して盛る、もっとも基本的な詰め方です。料理の数が偶数になってしまうので、南天やつくばねなどのあしらいを入れて奇数にします。
市松
市松模様のように9種類の料理を整然と並べる詰め方です。品数が多くなる一の重向き。味移りに注意し、中央の料理を器に入れるなど、仕切り方を工夫しましょう。
手綱
升詰め、升かけともいい、斜めに奇数列に並べる詰め方です。中央に色のはっきりしたもの、大きなものを詰めるときれいに仕上がります。
七宝
お重の四隅を頂点とした四つの三角形の部分と中央のひし形の部分に料理を詰める方法で、隅どりともいいます。中央に色のはっきりしたものを詰めると全体がしまります。

おせち料理づくりのスケジュール

何かと忙しい年末。品数の多いおせち料理はスケジュールを立てて計画的に早め早めにつくっていくようにします。クリスマスが終わったら、すぐに気分を切りかえておせち料理づくりのプランを練り始めましょう。

買い物は数回に分けて
黒豆やごまめ、昆布などの乾物類や調味料などから早めに買っておきます。野菜は根菜類なら27日ごろ、葉野菜などを29日ごろに。魚介類は28日ぐらいまでにお店に予約しておくとよいでしょう。
つくる順番は日持ちを考えて
祝い肴、酢のものなど、日持ちするものから順次早めにつくっていきましょう。黒豆は27日に戻し、28日に煮て、1日1回火を通すようにするとよいでしょう。田作りやかずのこも29日~30日には仕上げます。煮ものは30日に仕上げておき、一晩寝かせて翌日もう一度火を入れると味がしっかりなじみます。31日には焼きもの類と各料理の仕上げのみが残っているというぐらいが理想的です。早くつくったものは冷蔵庫で保存し、必要であれば途中で火を入れることを忘れずに。

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みなさまからお寄せいただいた“おせち料理”に関するお役立ち情報

  • 味を濃い目に作って長持ちさせやすくします。最近は注文することもありますが、やはり手作りのほうがおいしいですね。
  • おせち料理を食べ飽きると、我が家は茶碗蒸しの具として利用します。下味がちゃんとついているので何をいれても美味しく食べられます。
  • 田作りはごまめ一匹一匹のお腹の部分の腸(わた)を取り除くと味が格段に良くなります。
  • 栗きんとんは、ブランデーを少し垂らすと印象ががらりと変わって大人のスイーツといった感じになります。
  • とにかく、だしです。昆布にかつお、上等なものをケチらずつかう。そして醤油。出来れば国産の丸大豆で、最低1年ねかしてるもの。そして火は強くしない。ゆっくり炊く。
  • 黒豆の煮物の活用法…煮汁はレモンの絞り汁とガムシロップを混ぜるとぶどうジュースのようになる。煮汁は健康にいいらしいので捨てると勿体無い。黒豆自体が余ったら、お菓子に活用する。甘いのでスイートポテトやアップルパイに混ぜるとおいしい。カボチャサラダに混ぜてもよい。
  • 数の子は、1週間前に水につけ白い筋を取り、日々水を変え、5日後に醤油とみりん同量と鰹節で本付けをする。
  • 煮しめを炊いた出汁で昆布を炊くとおいしくできる。
  • おせち料理、煮物で野菜のうまみの出ただし汁を、大晦日の年越し蕎麦のつゆに少し混ぜると、コクが出てまろやかになります。
  • 「栗きんとん」のきんとんは、とにかくよく練ること。細火でゆっくり、飽きずに練ると、光沢と味に丸みがつきます。時間が無いときは、水あめ・少量のみりんでも、光沢UP!おいしそうに見えます。
  • より楽しく作ったり食べたりする為に毎年必ず「おせちのテーマ」を決めます。「伝統的日本のおせち」とか「韓国のお祝い料理」とか「中華的正月」などです。それに合わせて家の中も飾り付けします。
  • おせち料理に欠かせない昆布巻きは、ゴボウ、ニンジンなどの根野菜や魚の甘露煮などを巻いて煮含めることが一般的。けれど、子どもはあんまり口にしないようです。そこで、お子さんのいる家庭には、豚肉ロースの昆布巻きがオススメ。昆布と豚肉の意外なマッチに、子どもが喜ぶこと請け合いです。ただし、昆布巻き自体を甘く炊かないように。昆布と豚ロースから自然な甘味が出るので、ほんの少しの醤油以外、特に味付けは必要ありません。
  • おせち料理は市販のものと手作りとで用意し、必ずお重に入れてます。最低一品は手作りすることにしています。毎年違ったものを作ることにしているので、いずれはバライティに富んだ手作りおせち料理が作れることを期待しています。
  • だしまき卵は卵を混ぜるときに泡だたないように、卵白をお箸で切るように混ぜ、焼くときは強火で焼くと、焼き上がってからお皿にだしが出てきにくく、味も美味しいです!お試しください!
  • 買い物からお料理まで、一度に全部こなすのは大変なので、12月の半ばごろから少しずつ材料を用意して、一日かけて仕上げる。あとは、お友達とシェアする。少ししか使わないので、それぞれが分担して作り、分け合う。材料も、手間も、分け合えて便利です。
  • 欠かせないのは、しいたけの甘辛煮、たくさん作って雑煮の具にしたり、そのまま細かくきざんで、卵焼きに入れても良い。
  • 私の作るおせち料理で最も手抜きなのはローストビーフです。牛肉の塊の全面にしっかりと下味を付け、焼き色をつけたらラップで3重に包んで、ビニールで3重に覆って空の炊飯器に入れて保温します。肉の塊500gくらいで1時間前後で出来上がり。その後しっかりと冷やします。下味を軽く付けて、玉ねぎとにんじん、セロリなどを赤ワインで煮詰めたものと一緒にラップに包んでも美味しいですよ。
  • 特に大げさな料理は作りませんが、栗きんとんならぬ「パイナップルきんとん」を作ります。甘さがさっぱりとして、作るのもとても簡単。意外な組み合わせがウケてお客様にもよく食べてもらえます。
  • 早い時期から仕込みをします。冷凍の利くものは仕上げて冷凍しておく。
  • 我が家の田作りは電子レンジを使って作ります。ゴミなどを取り払ったごまめをフライパンでいります。(丁寧に煎らないと生臭い仕上がりになる)その後、お皿に煎ったごまめ、調味料、クルミを入れてレンジで2分ぐらい加熱する。一度取り出し全体を混ぜて2,3分、様子を見ながらレンジで加熱する。クルミを入れることで全体に生臭さが消えて香ばしい仕上がりになる。レンジによって加熱時間は多少違うので様子を見ながら加熱すること。もし固まってしまった場合は、日本酒を少し振りかける。
  • おせち料理を作る際、おにしめのにんじん、だいこん等は型抜きを使って、レンコンもすみを切りとりきれいな形にします。また、その切れ端の野菜を有効に使ってちらし寿司(バラ寿司)をつくります。形の悪いものや型抜きできない切れ端なども無駄にすることなく使えて便利です。